#21 「寒い国から帰って来たスパイを待つ第4の男;A Stirring of Dust」
脚  本 Don Houghton
監  督 Martin Campbell
(最近では映画「007ゴールデンアイ」「マスク・オブ・ゾロ」「バーティカル・リミット」といった作品を手がけています。体を使った生身のアクションの演出が上手いです。)
あらすじ
第二次大戦中、ソ連側に寝返り、イギリスの諜報機関に壊滅的な打撃を与えた伝説的な二重スパイ、トマス・ダービーが秘密裏にイギリスに帰ってきた。
KGBとの定期情報交換でコーレイはそれを知らされる。
そして、それを追う様にヨーロッパ屈指の殺し屋オリアリとカリナリもイギリスにやって来る。
それを察知したコーレイは、かつての諜報機関の先輩、サットン元・准将のアドバイスから、トマス・ダービーの帰国の理由を推理し、ボーディとドイルにダービーの娘の身辺を見張らせる。
実は、ダービーは内縁の妻の死を知り、一人残される娘に遺産を渡すため、危険を冒してまで帰国したのだが、その遺産が問題だった。
その遺産とは自らの手記。マスコミに売れば莫大な金になるであろう、その暴露手記の原稿を引き継がせようとしていたのだ。
その頃、コーレイに的確なアドバイスを与えたサットンは、別の男にダービーの帰国を知らせていた。その男とは、ダービーの裏切りからソ連側の捕虜になり、辛酸を舐めたかつての部下、ソレンセン。連絡を受けたソレンセンはダービーへの復讐のため、行動を開始する。
ボーディとドイルが娘の自宅を張り込んでいた頃、ダービー親娘は密会に成功。二人は密かに娘宅へ戻ってくる。しかし、中にはすでに殺し屋二人が待ち受けていた。
ボーディとドイルはカリナリを何とか片付けたものの、突如現れたKGBの邪魔もあってダービーの娘はオリアリに拉致され、ダービーもソレンセンに連れ去られてしまう。
コーレイは、オリアリの行く先はダービーの原稿を管理しているダービーの内縁の妻の顧問弁護士の事務所と読み、ボーディとドイルを向かわせる。
コーレイの読み通り、オリアリはダービーの娘を連れ、弁護士事務所でダービーの原稿を探していた。ボーディとドイルは見事なチームワークでオリアリを倒しダービーの娘を保護する。
そして、コーレイは弁護士事務所近くでオリアリから原稿を受け取るため待機していた”第4の男”、すなわちKGBと内通しダービーを二重スパイに仕立て、オリアリとカリナリを雇った今回の事件の黒幕を逮捕したのであった。
一方、ソレンセンに連れ去られたダービーは、コーレイが踏み込んだ時にはサットン宅で既に静かに息を引き取っていた。自らが裏切ったかつての同僚たちに見取られて・・・
サットンとソレンセンらはダービーに復讐するつもりだった。しかし、病で余命幾ばくも無く、死を覚悟して帰国したダービーを殺す事はできなかったのだ。
サットンはダービーの原稿を手に入れたコーレイが更に強大な力を得た事を示唆し、原稿を読ませてくれと懇願するが、コーレイはにべもなくそれを断りサットンに引退を勧めるのであった。
解  説
監督がMartin Campbellなので生身のアクション演出のキレが良い。
ダービーの娘を拉致ったオリアリをボーディとドイルが追っかけるシーン、
ボーディが愛車フォードカプリのボンネットを乗り越えて運転席に飛び込み、ドア開けっ放しで急ターンするとことか実に鮮やか。
みどころ プロローグとエピローグのコーレイとKGBとの非公式の会見の場面が思い切り時代がかってい面白い。
本来、敵であるKGBにすら顔が利くコーレイって・・・
しかも、最後はKGBをすっかり出し抜いて余裕の独り勝ち。
すごいよ、コーレイさん!ってところでしょうか。

ボーディとドイルの掛け合いも良い。
オリアリが待ち構えている弁護士事務所のドアの前でエントリー待機してるシーン、
D「派手なことになりそうだぜ。」
B「四十女の厚化粧みたいにな。」
(どっちが先にエントリーするかジャンケンポン!あ、ボーディさんの勝ち〜。ってチョキで勝ったボーディが嬉しそうにはさみの様に指を動かすところが可愛すぎる)
オリアリを倒した二人のコンビネーションもさすが。
でも、一応緊迫感漂うKGBとの会見の席でのボーディの埃アレルギーはご愛称。
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