CI☆5

ちょっと真面目に語ってみましょう

真面目なお部屋にもどる

真夜中のラブレター状態になるんで、あまり真面目に語りたくはなかったんです。だって根っからのギャグ体質、テレが先にたってシリアスになれません〜〜〜(号泣)。←真面目にやるんじゃなかったのか
とは言え、BBSで皆さん真面目に語ってくださいますし、ここらでちょっと真面目なページも作ってみました。

「右手がダメなら左手があるさ」

私はこのEpがはっきり言って嫌いでした。
ぶっちゃけた話、ボーディが苛められるEpは嫌いじゃないです(爆)。「革命家と殺人者の美学の違いは何だ」なんかはどっちかというと好きなEpです(爆)。
でも、精神的に追い詰められるEpは苦手なんです。だから、このEpと、「恋をした女優のもうひとつの顔」は好きじゃなかったんです。昨年の放送時は原語に逃げた根性なしです。
だから、このEpについてじっくり考えた事はありませんでした。

しかし、カットシーンを見た時、このEpに対する印象が変わってしまったのです。
ボーディがテロリストに心理戦で追い詰められて、それを助ける筈のドイルが役立たずで〜って印象しかなかったこのEpですが、まったく印象が変わってしまいました。
って事で、カットシーンを含めてこのEpを真面目に考えてみます。

      


あらためて考えてみるに、刑事ものにおいて主人公が怪我をしてるってのは美味しいシュチエーションです。ハンデを負った主人公がどうやってピンチを切り抜けるのか、はらはらドキドキものの話が出来ます。ただ、それを、まさかボーディでやるとは思いませんでしたけどね(爆)。
そりゃ確かに、ドイルは五体満足でも、しょっちゅう隙だらけの奴だから、それで怪我なんぞしてたら、目も当てられないでしょうけどね(爆)。五体満足なら、どんな状況でも切り抜けてしまうタフで強いボーディだからこそ、怪我というハンデが生きたんでしょうが…。
とはいえ、怪我は右手だけ。右手の包帯がなければ、五体満足です。でも、銃を握る右手が使えないって事がCI☆5部員にとってはどれほど命取りになるか、最後まではらはらさせられたEpです。

                             

ボーディの怪我は、「靭帯が切れてる」って台詞があったんで、捻挫だと思ってたんです。
しかし、マイヤーに銃を突きつけてたシーンで、痛む右手で激鉄を起こしトリガーを絞ると、ボーディの右手から血が流れてきたのです…。思わず、「あんた、それはやばいだろう。そんなに重傷であんな無謀な事やったんかい!」って突っ込んでしまいました。
…。ただ、問題は次のシーンで、その血が消えてた事でしたが…。拭ったわけじゃないんだから、跡ぐらい残しておけよ。細かいところ忘れてんだから(爆)
その後のシーンでは、ジュリアに包帯を巻き直してもらってましたから、そういう点ではリアルなんですけどね〜(爆)。

                             

今回追い詰められたボーディは篭城と言う手段に出ました。
この篭城ってのは、応援が来る事がわかってなければ絶対取れる戦法じゃないです。時間が経てば経つ程、篭城してる方が不利になるからです。場所をはっきり告げる事は出来ませんでしたが、それでも、CI☆5が、部長やドイルが必ず助けに来てくれると信じてたから、ボーディは篭城と言う手段をとったのでしょう。
右手の怪我がなければ、そんな危険な手段に出なくとも、ボーディの腕なら、事態を打破する事は充分可能だったでしょう。
ボーディが一番肝心の右手を怪我してた事、その状態でとんでもない敵に追われていた事。それが部長を慌てさせた原因だったわけです。

しかし、部長はボーディが孤立してる事で焦ってましたが、日本語放送分で見る限り、ドイルにそこまでの様子はわかりませんでした。それどころか、ボーディがどうしたかもわからないって、それでも相棒か!って部長と一緒に怒りたくなるぐらいだったんです。でも、このカットシーンを見れば、そのドイルの印象も変わりました。

ボーディを探して車を走らせてるドイルと部長。その車の中での二人の会話です。

C「あまり話をせんが…。ボーディと組んで2年か?」
D「2年と3ヶ月です」
C「充分だな」
D「何がです?」
C「面倒ばかりかける」
D「いいんです。毎日の事で」←この台詞を言うドイルはどこか嬉しそうでした
C「似た者同士か」
肯定するドイル。苦笑?の部長
C「うまくいってればいい」
D「お互いにかばい合って今日まで生きてますから…。今朝も生きていた」
ドイルの表情が曇る。
C「頭痛の種は君も同じだが、二人とも生きていて欲しい」


「あまり話をせんが…」のところで、about Bodieって台詞がありました。つまり、お前はボーディの事をあまり話さんな。って意味だったと思うのです。
全編通じて、ドイルがボーディの事を話すシーンって少なかったと思います。これは、その、ドイルがボーディとの事を話すとても貴重なシーンだったんですが〜〜(号泣)。

しかし、絶対にボーディを心配してるシーンにもかかわらず、ボーディの事を話す部長とドイルってのは、なぜか心なしか嬉しそうに見えたりするから始末が悪い…。でも、ほんとに前半部分はそう見えるんだもん!←このままでは突っ込みの部屋行きになるのでこのあたりでやめておきます


「お互いにかばい合って今日まで生きてますから…」って話す時のドイルはちょっと真面目な表情でした。
さらに、「今朝も生きていた」って言った時の表情は…。

マイヤーグループの警戒にあたらなければならなくなった時、ボーディが右手の怪我で外された事を、「タイミングがいいな」って皮肉ってたドイルだったんです。言外に『俺らは大変だけど、お前はいいよな』、って。
銃を握れないボーディは、可愛いジュリアとボート漕ぎに出かけて、平和に過ごしてる筈だった。常に自分から危険に飛び込んでいくようなとんでもない相棒だけれど、今回はその心配をしなくていい筈だった。
ところが、実際は、その、今のCI☆5部員の中で一番役にたたない怪我人のボーディが、一番危険な連中に追われてる。まさに青天の霹靂。ドイルにしてみれば、一番危険から遠かった筈のボーディが、いきなり、早く見つけないと殺される危険な状況だって言われて、とまどっていたのかも…。
「2年も組んでてわからんのか!」って部長に怒られてたドイルでしたが、このカットシーンを見ていれば、そこで、「ドイルの役立たず」じゃなく、表情に出さずに(これが問題なんですが)うろたえてるドイルの心情が分かったんですけどね。惜しいシーンでした。

       


さて、もう一箇所、惜しいシーンがカットされてました。
このシーンは、ボーディっていうキャラクターについて、その性格とか考え方について色々考えさせられるシーンになりました。


車で突っ込んできた追っ手に屋根裏部屋まで追い詰められたボーディ達。いよいよ追い詰められた時、やっぱり一番動揺するのは巻き込まれた女性二人です。
彼女たちは口々にボーディを責めます。ま、あたりまえです。

「放り出せば?」
「ダメだ」
「彼らは連れて帰るわ」
「ダメだ!」
「何故?わけを教えて」
「私たちが死ぬ理由は何?」
「分からん。ただこいつらが憎いんだ。理由などわからん。部長に聞いてくれ。彼ならわかる。俺に聞かれてもわからん」
「殺されても?」
「それまで戦う」
「最後まで?…怖いくせに」


今更マイヤーを放り出して助かるのか、助かる訳はないです。でも、関係もないのに巻き込まれた女性達としては、ボーディを責めるより他にありません。
でも、ボーディは悲しいかな弁が立つほうじゃない。ボーディに理由を説明しろって言ってもダメなんですね。だって、彼自身理屈で行動してる訳じゃないですから。理屈や理由は後回しです。勘と本能。ボーディの行動の基本はこれかも…。
でも、勘ってのは、経験という裏づけがなければ働くものではないので、やっぱりボーディは自分の経験値を元に行動してるって事になるんでしょうか。
後は、敵は倒さなければならないっていう、兵士としての本能でしょうか…。

この場合も、正義感とか使命感とかいう、ご大層なものではないでしょう。理屈じゃない。目の前のテロリストを見逃す事が出来ない。

ただ、ここで、「部長に聞いてくれ」って言うところにボーディの部長への絶対的な信頼があると思うのですが…。部長が彼らを敵だと言った。それに自分も納得した。だから彼らを見逃す訳には行かない。
最初このシーンを見たときは、洗脳されてんのかい、ボーディって突っ込んじゃいましたよ(爆)。


とは言え、部長の命令だから、盲目的に従ってるわけでもないと思います。ボーディは上官の命令には絶対従うような脳味噌筋肉タイプの軍人ではないでしょう。
軍人にとって上官の命令は絶対。個人などないに等しい。確かに普通の軍人はそうです。でも、ボーディは傭兵やSASって言う、自分で考えて行動しなければ生き残れない部隊にいたんです。
だから、たとえ部長の命令でも、納得できなければ、そして、それが必要なら、ボーディは平気で命令無視してしまいます。後からどやされる事も承知の上です。
でも、ボーディが命令違反をするのは、たいてい誰かの命や安全がかかった時です。
ドイルが危険だから、部長が狙われてるから、今行動しなければ、たくさんの被害者が出るから。ただ突っ走るんじゃなく、一応理由はあるんですね。だから、部長はボーディの命令違反を怒っても、処罰する事までは出来ないのかも…。

たとえば、ボーディが命令に忠実な優等生タイプの部下なら、まず無線を車に置いていく事はないでしょう(爆)。さらに、マイヤーを見つけた時点で部長に指示をあおいだ筈です。そうすれば部長はボーディが怪我人って事を考えて、一人で無茶をせず、マイヤーを見張り、応援を待てって指示をした筈です。

後先考えず、とにかくあの怪我でもマイヤーを逮捕しようとしたあたりに、ドイルや部長が心配するボーディの無謀さがあるわけで…。
その無謀さが功を奏する事も多々あります。でも、同時に危険を伴なう事も多い。そりゃ危険を考えてたらCI☆5は勤まりませんが…。でも、あんた、無茶しすぎや、ボーディ。

どんな状況になってもあきらめない。どれほどの危険を冒してもそれを切り抜けるだけの腕と頭がある。確かにそういう意味でボーディは優秀な兵士です。だからかえって始末が悪いとも言えますが…。
マイヤーの心理戦に引っかかって、「お前も並みの男さ」って言われてましたけどね。並の男に、弾丸の到達距離を利用して知らせようって考えは浮かばないでしょう(爆)。
ま、実戦で敵にしたくはない相手ですね、ボーディは(爆)。


転がり落ちてきた女性を確認した時、ドイルはマジで驚いてました。「ボーディ!」って叫んでたその声も必死でした…。あのカットシーンがあれば、このシーンもとても生きたんですけどね〜。

これだけシリアスなEpだったわりに、ラストのオチは明るかったですね〜。復帰が遅れてボーディは拗ねてましたけど、一応よくやったって褒めてもらえたし。ドイルは顔面神経痛だし(爆)。
部長もご機嫌で、ライオンバーで、ピュアモルトウイスキーで乾杯だって…(爆)。
ところでボーディ、その両手の包帯でグラスは持てたのかい?←これ以上の突っ込みはやばいからやめろ!

カットシーンについて、つい文句をたれてしましたが…。

CI☆5は全編無駄なシーンがないってほど密度の濃い作品です。それを5〜6分もカットするのは大変な事だったと思います。おそらく当時のスタッフの方が、あっちを削り、こっちを削り、「ダメだ、ここを削ったら話が変わる…。じゃ、ここで○○秒削って、こっちで○○秒で…」って、編集作業だか、数字計算だかわからんような作業の挙句、ようやく時間に合わせてくださったものと思われます。
その苦労してカットしてでもCI☆5を放送しようとしてくださったスタッフの方の熱意がなければ、私たちがCI☆5に出会う事もなかったのですから、その点に関しては感謝しなければならないと思いますし、実際感謝してます。

しかし、まだ数話しか見てませんが、実際にカットシーンを確認してしまうと、やっぱり悲しいんです。
だって、当然ながら話の大筋に関わりのない部分をカットされているので、カットシーンはボーディとドイルの会話部分が多いんです。
他にも、「あぶく銭は身につかないものなんだ」では、ボーディが部長にケラーとチームを組んでいた頃の事を話してるシーンがあって、そこでボーディはケラーの事を、「ジミー」と呼んでるのです…。あのシーンがあれば、ボーディとケラーの関係がもっとよくわかったんでしょうけどね…。

愚痴を言っても始まらないけれど、DVDで確認したカットシーンは、当然ながら、字幕も吹き替えもないんで、会話の内容がわからないから悲しい。
でも、内容がわかったらもっと悲しかったのが、この、「右手がダメなら左手があるさ」だったわけです…。

「白い粉をまき散らすボクシングの英雄」
 
このEpって嫌いだったんです。メイザー女史の追及が言いがかりにしか思えなくて。
でも、視点が変われば見方も変わる。BBSでの皆さんの意見を聞いて、少し考えが変わりました。
私がメイザー女史を嫌いだったのは、CI☆5側からしか見てなかったせいなんですね。
部長や、ボーディ、ドイルの立場にたてばメイザー女史って相当嫌な人です。
でも、メイザー女史の目は、確かに、一般市民の目です。
常に銃を携帯し、礼状なしで捜査を行う事が出来、軍隊並みの訓練をつんでいるCI☆5部員は一般市民にとって脅威かもしれません。なぜ、そんな権力や技術が必要なんだって
CI☆5がその牙を普通の市民に向ける事は決してない。もしそんな事が起きれば、CI☆5はその存在意義を失ってしまうから。
でも、メイザー女史を代表とする一般市民の立場からすれば、誰がその保証をしてくれるんだって言いたくなってもおかしくはないですよね。
そう考えれば、あれほど嫌いだったメイザー女史の立場もわかります。
百歩譲って相手を怒らせて、ぼろを出させるのが弁護士の手口だって事も認めましょう。

しかし、私が一番悔しかったのは、CI☆5部員が敵を一撃で倒す技術を身に付ける理由も知らずに、ただの暴力って決め付けられたところだったんです。
CI☆5の任務って過酷なものがあります。「ミックスダブルス」を見てもわかるように、殺るか殺られるかなんです。
たとえば、要人警護の任務に付いた彼らが、特攻式の暗殺に身を呈して要人を護ったとします。刺し違えてでも要人の命は護れるでしょう。
でも、その後誰が要人を護るのか。暗殺者がひとりならそれでいいでしょう。でも、失敗した場合第2弾、第3弾を用意しててもおかしくありません。仲間が要人を安全な場所に移動させてくれれば大丈夫ですが、警護に当たってる人数がそれ程多い事はあまりないでしょう。
だから彼らは確実に敵を倒し、生き残らなければならないんです。そのための技術です。
彼らには安易に刺し違えてでも要人を護るって手段は許されてないんです。死ぬ事はおろか、倒れる事さえ許されない。
それがどれほど過酷で辛い事かもわからず、安っぽい正義感を振りかざしてるのはどっちだ!

って私が弁護士なら言いたかったですよ(怒)。

実際、もっと軽いところでは、ドイルが腕を骨折した「神を利用して」、ボーディが肩を痛めた「記憶喪失の女が」。この2本でも、二人は応援が来るまで気を失う事も出来なかったんです。

でも、CI☆5部員はその過酷で辛い任務を誇りを持ってやってる事でしょう。たくさんのユーモアを交えながら…。えーい、このコメディアンども!…。←やっぱシリアスは続きませんでした。